ある日気がついたら、“病気持ち”ー化学物質過敏症(MCS)と私の記録

発症時期は不明。2020年3月、東京杉並区のクリニックにて確定診断。寛解するといいなぁ、と思って

不自然な「自然派さん」や自称CSさんの主張に関して私が思うことーいい加減な情報を流さないでほしいという切実な私の考えについて

前回から随分時間が経ってしまいましたが、ごきげんよう。(3ヶ月近く放置していたことになりますかね…)

コロナ、また感染者数がじわりと増えてきていますね。それだけ検査の数が増えたという背景もあるでしょうが、、

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さて、今回は一言で言うと↓に関すること。(今日もタイトルが長いけど…)

最近、自分のTL上や、その他の情報収集用媒体でよく目にする「自称・自然派さん」「自称・化学物質過敏症さん」のお話。

ちょっと長くなったので目次を作ることにする。以下。

 

1、「自称」が付く不自然な自然派さんたちの主張

私がざっと目にした限りのこの「不自然な自然派さん」たちの主張と傾向を簡単にまとめると、

①コロナはただの風邪であり、陰謀(何の?)である

②現代医療を頑なに拒否

③反ワクチン運動展開中

大麻を肯定

経皮毒は子宮内にまで到達する→よって、破水した時に羊水から柔軟剤やシャンプーの香りがするという都市伝説を信じ込み、それを拡散する。または、そのように人に伝え回る

無添加生活、オーガニック生活を健常者に押し付ける

 

思いつく限り、こんな感じ。

②と③に関しては気持ちはわからないでもない。でも、それ以外は正直、引いてしまった。その理由と私の思うところをちょっとまとめてみようと思う。

 

2、不自然な自然派さんたちの主張に関して私が思うことなど

2−①「コロナはただの風邪であり陰謀」という論

新型コロナウイルス流行下で、消毒用アルコールや次亜塩素酸水(またはナトリウム)に困っているCS当事者は多いだろうと思う。実は私もその一人だ。自分のすぐ隣でアルコールをシュシュっとやられると困る。咳き込むし、目がしみる。電車に乗って隣町まで買い物に行けるレベルの軽症CSの私だって困っている。街の中がとにかく消毒薬くさい。

過度な消毒は逆に免疫力を低下させたり、手指の常在菌を殺してしまったりするので良くないし、石鹸での手洗いうがいをしていれば感染リスクはかなり下がる。なんなら、石鹸がなくても流水でしっかり15秒ごしごしやっていれば、ウイルスは100分の1くらいまでになるらしい。ここではウイルスの不活化については触れないでおく。また、消毒薬の使用によって手洗い以上の洗浄効果は認められなかったとの報告もある。以下は東京都の資料:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/0913joho1.pdf

この辺の情報はもっとたくさんの人に知ってもらった方がいいと思うし、また、消毒薬等を過度に使用することで、私たちのような人間が困っている(苦しんでいる)という事ももっと周知するべき事実かと思う。

しかし、だからと言って、死のリスクがとんでもなく高い感染症を「ただの風邪」で片付けるのはどうかと思う。ただの風邪で人はあんなに苦しむだろうか。インフルエンザよりも数は少ないと豪語しているブログも見たし、それが事実なのだろうとは思う。だが、まずインフルエンザは予防接種ができる「防げる感染症」であり、かつ有効な治療薬がすでに開発されている。新型コロナウイルス感染症についてはどうだろう。まだまだワクチンは開発途上。また、感染した後回復をしたとしても、一生続くかもしれない後遺症が残るという情報もある。

陰謀論を唱える人々は、その根拠を示してほしいのだが、そういった根拠たる情報にたどり着くことができないのは私の情報収集能力のせいなのか。うーん…。謎。。

 

2ー②③現代医療の否定と反ワクチン

この2つはまとめて書く。

現代医療の否定というよりも、西洋医学の否定と言うのが良いだろうか。とにかく、この人たちは、例えば高熱を出している我が子を見ても病院へ連れて行こうとはしない。自己流の「治療法」で「免疫力を高める」ためのトンデモ行為を行なっているのである。それについては私は異を唱えたい。

私が冒頭でこの部分に関して「気持ちはわからなくはない」としたのはどうしてかというと、私も過去に病院で嫌な目に遭った経験を持つからだ。私はCSの他にメニエール病を持っている。これはもう10年以上前に九州大学病院耳鼻咽喉科でかなり精密な検査をしてからの確定だった。その確定の前に、別の耳鼻咽喉科で回復しない治療を長いこと受けて、しまいには「慣れてください」と匙を投げられ(それだけじゃないけど)、とても悔しい思いをした。しかしその後通った鍼灸院で長いこと苦しんでいた耳鳴りが改善した。このことから、西洋の医療が自分の体にフィットするのかどうかはかなり疑問を抱くようになった。とはいえ、この辺は自分自身のその時の体の状態と要相談で、治療法も選びよう、という話だ。流石に高熱が出たり急性症状が出たら病院へ行く。

予防接種(ワクチン)も受けられるなら受けた方がいいと私は思う。その中身(添加物など)があまり良くないことや、ワクチンそのものが身体に悪さをしてしまう事例も知っている(というか同僚にそういう人がいる)から、反ワクチンの考え方そのものを100%否定したりはしない。だが、よく考えてみてほしい。ワクチンだって、医療技術の積み重ねの上でできたものである。長年の医療従事者の努力の結晶で、一つでも多くの命が助かる可能性があるのなら、それは頭ごなしに否定するべきではないのでは?

(まあ、なんにしても私は暫く打てないと思うけど……)

 

2ー④大麻を肯定

これに関しては長々と書くのがあまりにもバカバカしいので一言だけ。

日本に住んでいる以上、それは違法です。

以上。

 

2ー⑤経皮毒で羊水から柔軟剤やシャンプーの香り

都市伝説というか、デマなんだよね、これ。

この情報をつい最近Twitterで流していた方は、医療従事者や助産師ではなく、農家でした…。専門外の人がどこからかかじってきた適当な情報を裏も取らずに拡散してしまったという事例なのだろうなと推測。ちなみに私には出産経験はなく、以前お話しした通り医療従事者でもないので、この情報だけを見ていたら信じ込んでいたかもしれない。何せ合成香料の害については嫌という程情報を集めたので。人工香料を包むマイクロカプセルがどのようなものかも知っているし、それが鼻から体内に入って肺の奥にまで届いてしまうらしいということも情報として知っている。

けれども、はっきりと助産師さんのTwitterアカウントがそれを否定している。

今も昔も羊水にそんなフローラルな香りはしない、と。

そしてこのデマは今に始まったことではないらしい。

このツイートだけを見たら、逆に自称自然派CSさんは「鼻が麻痺しているだけだ」とか言い出すのだろうとも予測できる。

さて、あなたは何を信じる?

 

2ー⑥無添加、オーガニック押し付ける

私たち(M)CS患者が無添加生活にならざるを得ないのは事実で、合成化学肥料や農薬が大なり小なり私たちの身体に悪さをするのは事実。

でも、だからといってそれを健常者に押し付けてはいけない理由がある。

一つは、無添加・無農薬やオーガニックの商品はそれなりに値段がするということ。

食品だけではなく、もちろん私たちの多くが苦しめられている洗剤類に関しても同じことで、「たった100円、されど100円」なのだということを頭の片隅に置いておくべきなのだ。その100円でコンビニのパンが一個買える。その100円のパンで明日の命を繋ぐ困窮者が日本にもいる、という事実。(私はそういう家庭の子どもたちも何人か見てきた)

二つ目は、お金があっても時間がない、手間がかけられないという人たちが存在するという事実。10人中10人が皆時間的余裕のある生活を送っているわけではないのだ。

食品に関して言えば、仕事に追われて自炊する暇なんてないという人も多い(私だって実はそう)。そういう人は、手軽にスーパーのお惣菜を買って済ませたい場合もある。

少し前に子連れの母親がスーパーのお惣菜コーナーでポテトサラダを手にしたら「作ってやれよ」と干渉してきたという「ポテサラじじい」が話題になった。そのツイートを私もTL上で見かけたのだが、そこにCS当事者と思しき企業批判系のアカウントが保存料や添加物がどうのこうの、という本題のツイートの趣旨とはズレたリプライをつけていたことに私は疑問を持った。余程のことがない限り、人の食卓に他人があれこれと口を挟むべきではないと思う。(干渉してはいけないのは食卓だけじゃないけれども)それぞれの家庭にそれぞれの事情があっての食卓で、それも多様性なのだ。

(尚、自炊の手間もかけられないほど働かなければならないというのは、それはもはや社会構造の問題になってくるので別問題だし、ここで議論することでもない)

手間という観点で言えば、実は石鹸洗剤の使用に関しても同じこと。あれは使った人だけがわかると思うが、ほんの少しだけコツがいるのだ。この際、香料毒性や成分の危険性、環境負荷などの話は置いておいて、合成洗剤でその手間が簡単に省けるのであれば、私だってそうしたい。その手間を他人に「お願い」することはできても押し付けることはできない。Twitterにいる香害で苦しむアカウントの方々で丁寧な「お願い」ができている方は果たしてどのくらいいるだろうか。無意識に押し付けてはいないだろうか。これは私自身も含めて、であるが。

 

3、最後に

ものすごく長くなったが、私が思うところは以上だ。

で、何が言いたいかというと、これらの主張を繰り返す「自称・自然派」「自称・化学物質過敏症」の方の発信によって、本当に苦しい思いをしている患者当事者が健常者からの理解を得られにくくなっているという構造ができあがっていないだろうか、ということ。

非科学的で根拠のない叫びや、他者をむやみに糾弾したり、また他者の生活に干渉するような言い方、自分たちの生活スタイルを押し付けるような言動を繰り返したりすることで、私達はまとめて非難されるようになる。健常者から見たら、「自称」さんも本当に苦しんでいる人も皆同じなのだ。多分、きっと。

で、結果的に「精神的なものでしょう」「まずは精神科へどうぞ」という言葉を聞くことになるのだろうと私は思う。

そしてその「自称」さんの多くがやっぱり「自称」のままで、確定診断を受けていないようだ(私調べ)

その「自称」さんの不自然な主張や発信、少なくとも私には迷惑なので辞めていただけないだろうかと思う。心からそう思う。

 

(追記)とはいえ、私も一年ほど前は同じような「自称」さんだったので、そこは反省している。それをきちんと窘めてくれた人がたまたま私にはいた幸運も自覚している。Twitterでは何度も書いているけれども、私の大切な人(同僚氏)の話。それについては、またいつか。